万葉集

十六/有由縁並雑歌

乞食者詠
伊刀古(いとこ)、名兄乃君(なせのきみ)、居居而(おり〳〵て)、物爾伊行跡波(ものにいゆくとは)、韓国乃(からくにの)、虎雲神乎(とらとふかみお)、生取爾(いけどりに)、八頭取持来(やつとりもちき)、其皮乎(そのかはお)、多多弥爾刺(たたみにさして)、八重畳(やへだヽみ)、平群乃山爾(へぐりのやまに)、四月与(うづきと)、五月間爾(さつきのほどに)、薬猟(くすりかり)、仕流時爾(つかふるときに)、足引乃(あしひきの)、此片山爾(このかたやまに)、二立(ふたつたつ)、伊智比何本爾(いちひがもとに)、梓弓(あづさゆみ)、八多婆佐弥(やつたばさみ)、比米加夫良(ひめかぶら)、八多婆左弥(やつたばさみ)、宍待跡(しヽまつと)、吾居時爾(わがおるときに)、佐男鹿乃(さおしかの)、来立嘆久(きたちなげかく)、頓爾(にはかに)、吾可死(わはしぬべし)、王爾(おほぎみに)、吾仕牟(われはつかへむ)、吾(わが)角(つぬ/○)者(は)、御笠乃波夜詩(みかさのはやし)、吾(わが)耳(みヽ/○)者(は)、御墨坩(みすみのつぼ)、吾(わが)目(め/○)良波(らは)、異墨乃鏡(ますみのかヾみ)、吾爪者(わがつめは)、御弓之弓波受(みゆみのゆはず)、吾毛等者(わがけらは)、御筆波夜斯(みふでのはやし)、吾(わが)皮(かは/○)者(は)、御箱皮爾(みはこのかはに)、吾(わが)宍(しヽ/○)者(は)、御奈麻須波夜志(みなますはやし)、吾(わが)伎毛(きも/○○)母(も)、御奈麻須波夜之(みなますはやし)、吾(わが)美義(みき/○○)波(は)、御塩乃波夜之(みしほのはやし)、耆矣奴(おいはてぬ)、吾身一爾(わがみひとつに)、七重花佐久(なヽへはなさく)、八重花生跡(やへはなさくと)、白賞尼(まおしはやさね)、白賞尼(まおしはやさね)、 右歌一首、為鹿述痛作之也、