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重修本草綱目啓蒙
三十四/獣
鹿〈○中略〉
凡夏至の時角堕つ、直に其跡より新角お生ず、初は茄子の如く円かにして光り、紫褐色にして薑形の如し、採て乾す時は色黒くなる、これおふくろづのと雲、和名抄にかのわかつのと訓ず、鹿茸なり、鹿茸は暫時に生長するものなり、故に未だ長ぜざる一寸半より二寸許にして、柔なるお薬用とす、四五寸に至れば、硬くなりて良ならず、故に未だ角形にならずして円なるお、茄子茸(○○○)と雲お用ゆ、又外に疣多き者あり、いぼみ様と呼ぶ、多くは柔なり、鹿茸一名冲天宝、〈本草匯〉九女春、〈事物異名〉