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東雅
十八/畜獣
鹿しか〈○中略〉 又倭名抄に、本草音義、爾雅注等お引て、麞一名麕くじかといひしは、此国に産するものとも見えず、くじかとは、似鹿而黄黒色なるおいひしと見えけり、〈(中略)古語にくといひしは黒也、(中略)しヽとは万葉集に、しヽくしろといふ事お、仙覚抄には、鹿宍〉〈肉同〉〈気味すぐれし花いふと見えたれば、鈴羊おかましヽといひ、また俗に鹿おかのしヽなどいふも、並に其肉の美なるおいひしなるべし、〉