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消閑雑記
狐はあやしきけものなり、常に人にばけてたぶらかし、また人の皮肉の内に入りてなやまし、あらぬ妙おなす事多し、抱朴子曰、狐寿八百歳也、三百歳後変化為人形、夜擊尾出火、戴髑髏拝北斗、不落則変化人、これほど修行なり、功つみたるものなれども、一旦やき鼠の香くはしきお見て、たちまちにわなにかゝり、命おうしなふ、