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壒囊抄

たヽげの筆なんど雲、たヽ毛とはたぬきの毛歟、狸の字おたヽげとよむ、又ねこま共よむ、隻ねこと同事也、狸(たヽげ)お猯(たぬき)に用は僻事也、されば帝範の審官篇雲、〓牛之𣇄不可処以享雞、捕鼠狸不可使之搏獣と雲り、是賢愚大小器異なる事お、狸(たヽけ)の鼠お得てとればとて自余の獣お不可搏喩へたり、可知猫也と曰事お、獣お害するおば搏と雲也、搏は補洛反、手擊と註せり、狸(たヽげ)猯きは各別也、狸は猫なるべし、されば大日経疏にも、六十心の狸心の下に如猫狸侍べり、明けし、猫と狸け同類と雲事ぞ、