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倭訓栞
前編十四/多
たのき〈○中略〉 老たるはよく変妖し人お食、又化して人となる、又よく人語おなす、阿波の家中は、市中の躍まはる事なりしに、明和年中に、児女の中に交りて、ある家に至り、酒食おたべ、風流お尽して、帰りがけ狸の化たる者、途中に死たり、衣服編笠の類もとの如くなりしとぞ、こは犬のしわざ也といへり、