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東雅
十八/畜獣
鹿しか 倭名抄に、〈○中略〉また本朝式お引て、葦鹿はあしか、陸奥出羽交易雑物中に見ゆ、本文未詳といひしは、左思呉都賦に見えし潜鹿、異物志に見えし鹿魚の類、其形鹿の如くなる海岸蘆葦之間にあるおいひし也、即これは海獱といひしものと見えたり、〈葦鹿といふもの、東北海中にあるのみにも限らず、西南海中にもある也、出雲国風土記に、葦鹿社葦鹿坂等ありと見えたり、海獱は博物志に、頭如馬、自腰以下似蝙蝠、其長似獺、大者五六十斤と見えたり、俊水朱氏も、あ しかは海獺也といひしといふ也、海獱は即海獺の大なる也、是等の外東海海中にある水獣尚多かり、〉