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倭訓栞
中編一/阿
あしか 本朝式に葦鹿と書り、ざれど海(あま)鹿の義なるべ、し、正徳の韓使に一医此物お尋けるに、彼国にいふ海鹿也とことふとぞ、呉都賦にいふ潜鹿、博物志にいふ海獱也といへり、騂驪騮駁(あかくろかげぶぢ)の数品ありといへり、島嶼に出てよく眠るもの也、群中に一は眠らずして護ること、雁奴の如しといへり、紀の日高郡西南の海中に葦荒島あり、年ごとに秋より冬に至り、多く波島に来りて岩上に眠るといへり、