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倭訓栞
前編十/佐
さへづる 新撰字鏡に〓又嘱およみ、万葉集にさひづる(○○○○)と見え、和名抄に囀およめり、障出るの義、鳥にいふ辞也、公冶長はいざしらず、鳥語はさはりて通じがたければいへり、日本紀に、韓語おからさへづりとよみ、源氏に、海人の物いふお、聞しらぬ事さへづりてと書り、今も聞分がたき人の言ばお、さへづるといふめり、侏〓鴃舌の意なり、万葉集に、言さへぐとも、韓ことさへぐとも見えたるこれなり、