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輶軒小錄
禽言之事
釣舟、格磔、喚起、盍且、泥滑々、浦餅焦、不如帰去、鳳凰、不如我如き鳥の声、人言に、片どること多し、依之四禽言、五禽言の詩あり、明の張祥鳶が詩和禽言成楽府、完裁荷葉製衣裳と群芳譜にこれお載す、日本にも、高野山に仏法僧と鳴く鳥ありと雲ふ、亦日光にて慈悲心となく鳥ありと雲ふこと、昔より和歌に詠じ、人々伝誦することあり、是も唐にもあり、百川学海中蜀都雑抄に、峨眉山に仏光といひて、時に依りて光の現ずることあり、其前に鳥あり、施主発心菩薩来到と呼ぶ、光のあとに施主不施菩薩去了と呼ぶに似たり、亦雲、鳥声隻三字仏現了と雲ふ、雀に似て隻三枚有りとなり、此等のこと合せ案ずべし、〈○下略〉