[p.0517]
嬉遊笑覧
十二/禽虫
錦雞、孔雀、紫鴛鴦、雁、〓等の卵、みな雞に抱かせてかへすに、大かた雞と同く、三七日にてかへるものなり、その内孔雀は一月お経ざればかへらず、錦雞は卵四つばかりならでは生ず、孔雀は十四五も生む、島ひよどりは二つ三つに過ず、凡雞ほど卵多く産ものなし、大かた一月の内に十二ばかりは生べし、飼ふに費多きものは丹頂の鶴なり、一日の料鰻鱧銀三匁、泥鰌三匁五分玄米二升なり、一年に積りて凡金二十二雨許り、飼料にのみかゝる、是も卵は二つ産み、伏する事四十四五日五十日にてかへるといふ、