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空穂物語
藤原の君
兵衛つねにみしらぬやうなりと聞ゆれば、例のことのたまへかしなどのたまひて、かきつけ給、
はま千鳥ふみこし浦にすもりこのかへらぬ跡はたづねざらなん、とこそは、君の御ことにては、のたまへるなれとの給、