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文恭院殿御実紀附錄

大内へ進らせらるゝ御物数は更なり、しゝあてし御鷹のかぎりは、一寄も寄おきることなかりし、鶴三羽まで御拳あり七ときは、御膳所へ渡らせられて、御側より外班の者どもまでも、鶴血酒たまはる定例なるが、御物数多き事少かりし時は其事なし、かく御物数多く成行ば、年毎に鶴血酒たまはらぬことなきやうになりにき、