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閑窻自語
雁再活事
同じみかど〈○桃園〉の御時、一条前関白道香公、雁おたてまつらる、すなはち竜池にはなちおかる、この雁外より前関白もらひて、庖丁せんとて、まづ膳棚におくにぞ、せいしてとびあるきけるゆえに、めづらしきことなれば、たてまつるよし奏せられぬ、宝暦九十年のあひだのことなり、