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幕朝年中行事歌合

三十番 右 賜雁
誰もみな君にこゝろのよると鳴たのむの雁は是にや有らん
判雲、〈○中略〉賜雁はもと完永の頃有て中絶しお、享保の頃に起させ給ふとかや、城主の輩には御 使して給ふ也、さなきはべちにとのゝ中におひて、雁の羹給ひし事も有しとか、皆君と人との 親み深き御諚なるべし、〈○中略〉
賜雁は三家三卿のかた〴〵おはじめ、国主城主にいたるまで鳥飼の雁お賜ふ也、