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玉勝間
十三
鴨の類くさ〴〵の名
同人〈○田中道麻呂〉の語りけるは、鴨に大かた四種有、第一大きなるお、まがも(○○○)といひ、次に大きなるお、ひどり(○○○)といひ、次おあぢ(○○)といひ、もとも小きお、たかべ(○○○)といふ、みな同じ鴨にて、たゞ形の大き小きに、よりて名の異る也、あぢ、たかべなど、万葉の歌によめり、又あいさ(○○○)といふ一くさ有、こは鴨のたぐひながら、いさゝか異也、万葉七の歌に、あきさとある此物也といへり、