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飼鳥必用

華鴨(○○)
此鳥、九州柳川の荒海より出る鴨にて、形真鴨より少し小ぶりにて、黒と樺色と白のぶちにて、觜の上に菊形のさか有、餌飼はゆで黍にて飼也、しヾみ蛤蜊(あさり)の類お見計ひ、夜通し飼也、但し蚫お飼へば宜候得共、余りつめて飼候へば、目に障り候に付、右の品々飼也、右鴨水鳥故に、暑中はむつかしき故、飼人心おつけ飼べし、
沖の見鳥(○○○○)
此鳥、奥州の荒海より、出ると雲、大さ小鴨に少し大振にて、形羽白に似たり、総羽鼠色にて、浅黄おかけたる如し、頭に栗色の色有、觜足黒し、餌飼ゆで黍どじやう小ぶなの類にて飼也、
三(/○)芳(よし/○)鴨(/○) 一名頬白羽白(○○○○)とも雲
此鳥至てきれいなる鴨にて白黒のぶち也、頭に青き連雀有、目黄色、觜足浅黄、此鳥何国より出る共しらず、大坂名古屋よりまゝ持来と有、