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東雅
十七/禽鳥
鴨かも〈○中略〉 鸊鵜の如きは、楊子方言に拠るに、野〓之小而好没水中者也と見えしは、上古ににほと雲ひ、今俗にいよめとも、かいつぶりともいふもの、大者謂之鶻鵜と見えしは、韓保昇が説に、刀鴨といふもの、即今俗に小鴨といふものと見えたり、〈○中略〉にほとは湖おいひぬれば、にほとりとは、湖中にあるの義にやめるべき、〈○中略〉いよめといふは、にほめの転ぜしなり、かいつぶりといふは、京畿の俗かいといふは、猶作(たちまち)といふが如し、つぶりとは、その水に没する音おかたどりいひしなり、鳰の字お用ひ、にほと読むは、我国の俗、創造りし所と見えたり、