[p.0628]
大和本草
十五/水鳥
秧鶏(くひな) 小お黒鳥(くろどり/○○)と雲、くひなとは大なるお雲、大小共にわたり鳥なり、目足赤し、雞に似たり、故に日本紀皇極紀に、水雞お倶比那と訓ず、くひなのたヽくは黒鳥なり、夜なきて其声人の戸おたヽくが如し、歌人詠之、是黒鳥なり、夏初より秋初まで居此地、夏間やぶの内にすくふ、鼠ぐいな(○○○○)小也、黒斑あり、人お見てよく隠る故に名づく、つるぐひなは(○○○○○○)形鶴に似たり、鼠ぐいなにも似たり、黒鳥より大也、夏秋不居、本草時珍秧雞、集解所謂䳾はくろどりか、色褐とあり、地により色はかはれるにや、