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源氏物語
十三/明石
はる〴〵とものゝとゞこほりなきうみづらなるに、中々春秋の花紅葉のさかりなるよりは、たゞそこはかとなうしげれるかげどもなまめかしきに、くいなのうちたゝきたるは、たが門さしてとあはれにおぼゆ、