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廻国雑記
十月〈○文明十八年、中略、〉隅田川のほとりにいたり、〈○中略〉猶ゆき〳〵て川上にいたり侍りて、都鳥たづね見むとて、人々さそひけるほどに、まかりてよめる、
ことゝはむ鳥だに見えよすみだ川都恋しと思ふゆふべに
思ふ人なき身なれども隅田川名もむつましき都鳥哉