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古事記伝
二十九
此御歌は、先浜つ千鳥とは、下に浜雲々、磯雲々お雲む料に、かの白智鳥お、千鳥に譬へてよみ賜へるなり、千鳥は、浜磯にむねと在る鳥なればなり、〈されば、此歌に依て、彼白智鳥お千鳥ぞと心得るは非なり、彼鳥、千鳥なる故に如此よみ給へ るには非ず、彼白智鳥は、何れの鳥にまれ、此はたゞそお千鳥に譬へたるなり、よくせずにまぎれぬべし、〉