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藻塩草
十/鳥
やすかた(○○○○)
子おおもふ涙の雨の笠の上にかゝるもわびしやすかたの鳥、太神宮へ勅使下てうとふやすかたと雲鳥お取て、三角柏と雲樋に備て、神供にたてまつると也、此鳥取物は䒾笠おきてとる也、其故はすなの中に子おうみてかくしたるお、母鳥のうとふがまねおして、うとふ〳〵とよべば、やすかたと雲てはい出るお取と也、其時母空にかなたこなたへつきありきて、鳴涙雨のごとくにちにてふる間、其涙かゝりて身のそんずる故に、みのかさおきる也旬