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当代記
慶長十二年六月、宇都宮主奥平大膳大夫家綱より、善知鳥と雲鳥お、父美濃国加納奥平美濃守信昌え進献、此鳥謡に有間、日来有見物度と依存分如此、前より塩に漬来、彼鳥の体、觜は鴴の箸のちいさき物也、頭は猪のしかり毛の如し、とさか有之、水鳥の如し、水かき有、但かけ爪なし、鳥の大さはあぢと雲水鳥の少長き物也、生たる時鳴声千鳥の声の高き物也と雲々、子お平砂に生捨けるが、我とそだちけると也、生立ければ親お養あると也、此れ善知鳥也、