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謡曲
善知鳥
〈後して下〉陸奥の、そとのはまなる、よぶこ鳥、なく成声は、うとふやすかた、〈○中略〉 〈上して〉中に無慚やな此鳥の、同おろかなるかなつくばねの、木々の梢にもはおしき浪のうきすおもかけよかし、平砂に子おうみて落雁の、はかなや親はかくすと、すれどうとふと呼れて子はやすかたと答へけり、