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大和本草
十五/水鳥
信天翁(らい) 鴎に似たり、淡青白色にして喙長く少それり、脚赤し、海辺にあり、雁より大也、〈○中略〉本草綱目鵜鶘の集解に信天翁と雲者即是也、食お不貪鳥なり、又漫画と雲鳥あり、終日食お求め貧る、此二物其性貪廉異り、潜確類書、事言要女、群談採余、琅琊代酔等にものせたり、らいは、一名信天縁と雲、此鳥羽ぬくる時あり、飛事あたはず、往々人のために得らる、又食お求ることあたはず、故にうえて死す、味不好、陶九成錄、〓漠二州之境、塘泊之上、有禽二種、其一類鵠、色正蒼而喙長、凝立水際不動、魚過其下則取之、終日無魚亦不易地、名曰信天縁、其一類鶩奔走水間腐草泥沙、唼唼然尽索乃已、無一息少休、名曰漫画、信天縁若無能者、乃与漫画均度一日無飢色、而反加壮大、二禽廩性不同如此、或曰泥〓(どろがも)、うかる、觜広(はしひろ)、此三種皆〓の類なり、終日食お求て不休、漫画は此内の一種なるべし、