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八丈物産志

しらぶ(○○○)は沖のかもめ、又馬鹿鳥(○○○)とも雲、南海に多住むよし、鳥の形大ひにして、羽お広ぐれば六尺余もありて、しらぶは白く、くろぶ(○○○)は黒し、此の島の辰巳に当り無人島あり、其島に多くすむよし、先年松兵衛と雲船乗漂流して其島に著たり、再び国地へ出んとて小舟お作り乗出し青け島に著す、船夫より島へ渡り物語せしよし聞伝ふ、此鳥の味ひ愚〈○大村某〉もよくしれり、鶏の如くにして惡しきにほひあり、骨はかたく食しがたし、或雲、是は唐山にて信天翁と雲ものにて、方言奥のほうこらうとも雲へり、肉に毒あるものなり、