[p.0657]
常陸国誌
六十/土産
鸕鷀〈常用鵜字〉
多珂郡石師浜にて古来これおとる、すべて鵜は多く海巌に集るものなり、こヽの海汀に巌石海中に差出て島おなせるあり、鵜取島と雲、土人税お出して鵜おとる、中世税お停む、元禄十五年、田尻村土人再国君に請て税お出してとることヽなれり、其とらふる法は、彼の島に鵜の集るとき、其辺に萱等の物お以垣おつくりて隠れ居り、穂の先おに尺ばかりつきたる竿にて、海中に落すやうにさすなり、鵜にあたれば彼穂はぬけて鵜の羽に粘し、海に落て漂ふお捕へ、又波に打よするおも捕ると雲、