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狭衣
四中
い給へる所と見ゆるは、寺よりはすこしのきてぞありける、〈○中略〉軒おあらそふ八重むぐらも、げに人こそみえね、秋のけしきはとくしられぬべかりけり、いなばのかぜもみゝちかくはきゝならひ給はぬに、いなおほせ鳥さへおとなふも、さま人\にさまかはりたる心ちして物心ぼそげなり、