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冠辞考

いへつとり(○○○○○) 〈かけ〉 又にはつとり〈○中略〉
神楽歌に庭とりはかけろと鳴ぬとうたふに依に、彼が鳴こえもてかけとは呼也、かり〳〵と鳴まゝにかり、から〳〵と鳴故にからすてふ如き類ひ、他(あだ)しものにも多し、〈此かけお家鶏の字音の様にいふ人あり、こゝのいと上つ代に、漢の字音もていふこと無おだに思はぬ人のわざ也、万葉に可雞(かけ)と書しは隻仮字也、それはやなぎの事お楊奈伎、うめお烏梅と様に書る如く、幸により来たる字お借たるのみ也、〉