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渡辺幸庵対話
一片羽道味駿府の人也、名医にして異人也、〈○中略〉或時水戸頼房卿、雉子お上り候て、御食傷被成御苦み甚し、其時道味お被招候処に、殺生より直に鉄炮かたげ、草鞋おはきながら御寝所へ伺公、御様子お聞、よくして可進と申、生姜一味煎じて上る所に、忽吐ありて御本復也、道味は夫より直に殺生に出る夫より雉子の倉傷に生姜お用る事、皆人知りけり、総て諸鳥の食傷に能といへり、