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百千鳥

白鷴 餌かい〈前におなじ、(きび、米、蕎麦、粟、菜おきざみ水お入、)もろこしもよし、〉
大きさきんけいに余ほど大ぶりにて、頭黒く咽より下はら迄くろし、背は白くくろきもくめのふありて、見事なるもの也、正月中のせつより、よくさかるものなり、朝のうちの事なり、よくこゝろおつけて見るがよし、当時ふつていなり、めとりは総身茶いうに、こまかきふ黒くあり、たいがい世に知るところゆえ略す、玉子は二十五日廿六日にてひらく、子もつよくかひたてよき物なり、きんけいとちがひ、口気もなくかいよし、すり餌よわくして、餌のうちへきざみたる菜、またぼうふりむしお、箸にてませて飼ふべし、其外はさみ虫あおむし類ずいぶんよし、過ぬやうに飼ふべし、蜆のむしたるお、よくあらひきりてかふ、是も好なる物也、おほくはあしゝ、いさいの飼かたまた外にしるしあり、