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飼鳥必用

鷓鴣
此鳥の形ちやぼの雌位にて、形鶉に似たり、雄は首より胸脊黒羽にて、丸き白大小の星し入たるごとき府合也、諦こへは鶏の諦ならいのよふなるもの、本朝の歌人時鳥お詠しごとく、唐にては詩に賞美して唱よし唐人長崎江持渡事なし、琉球国より間々持渡り、世に希成もの、若き人はよく見覚へて、後世の人に言伝へべし、軽きすり餌に粒餌、菜の葉細く割み飼立べし、雌は雉子雌の府合せに少し黒みあり、雌雄揃ふたらば、子も生立そふなものと、兼て思ひしかども、公侯身にあらねば飼事不協して、むなしく世お過る事の残念さよ、