[p.0745]
源氏物語
四/夕顔
夕暮のしづかなるに、そらのけしきいと哀に、おまへの前栽かれ〴〵に、むしの音もなきかれて、もみぢやう〳〵色づくほど、〈○中略〉竹の中に家ばとゝいふ鳥の、ふつゝかになくおきゝ給て、かのありし院に、このとりのなきしお、いとおそろしと思ひたりしさまの、おも影にらうたくおもほしいでらるれば、〈○下略〉