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甲子夜話
三十七
鳩は咽ざる鳥なり、老人は疾せまり気よはくした咽ぶ者なり、故に呪咀とす、続漢儀志曰、仲秋月八九十の老人に杖お賜ふ、杖端に鳩お造て著たるに因り、鳩杖と雲と、又雲、唾に咽たるとき、掌に鳩字お指画して嘗れば、即治すと雲、