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閑田耕筆

雀の子飼はよく人に馴るものにて、放飼にするに安し、或は人の肩に登り懐にも入り、又庭の樹木にも遊ぶ、苦しげも見へず、よきものなれども、あまりに馴て人の足もとにまとひ、あやまちて踏殺すことのあるがかなしと人いひき、此飼雀にふと酒糟お喰せたれば、頓て死だりとか、さらば雀には限らず、鳥類には大毒なるが、人の心つかぬこと也、