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甲子夜話
三十
加賀には年々夏の中に、燕お火く取り塩漬にして貯へ、兵食の料に備ふ、前田家の古法と見へて、昔よりその如くして、前年に塩漬したるは棄て新と引換置くこと、年々違ふこと無と雲、或雲、息合の薬なる歟と、尚その国人に問べし、〈林話〉