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笈雉随筆

雑説八十け条
予〈○百井塘雨〉備前の沖なる鵜の瀬といふ所に夕待せしに、大巌二つある所也、夫に燕の様なる鳥(○○○○○○)火しく群がりたり、舟人に問へば、かりがねといへり、人に遠ければさのみ恐れず、手にてとらへたり、脊黒く、觜尖りたり、京には見馴ぬものにて、彼紋所に付るかりがね也、かりがねといへば、雁の事と計思ふは非なり、