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重修本草綱目啓蒙
三十二/原禽
石燕
丙の説は琉球かはほり、形伏翼(かはほり)よた大にして淡紫色、好て樹枝に倒懸す、前足は毛なくして一の駒あり、後足は毛ありて五指あり、時珍の説は百鳥図に符す、即酉陽雑俎の鷫鷞にして、かざきりなり、已に鵠雞の附錄、鷫鸘の下に詳にす、又石部に石燕あり、石の形栗介に似たるものにして、舶来和産倶にあり、此条と同名なり、
増、石燕やまつばめ(○○○○○)、此れは乳石のある岩穴にあり、形状伏翼に似たる鳥なり、富士の人穴、大峯蟷螂の岩屋、近江風穴、丹州大江山等、巌窟中に産す、常に窟中に在て飛行し、外へ出でず、