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吉野詣記
十一日、〈○天文二十二年三月〉けふは住吉へとぞ思ひたちける、こゝなる人のいふやう、この八尾〈○河内〉といふ所は鶯の名所なり、よの常のは尾十二枚重れり、此の所のは尾お八重ね、優れたる由申しけり、
契りおきてこゝにぞきかむ鶯の八尾のつばき八千歳の声