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拾遺和歌集
一/春
延喜御時月次御屏風に 素性法師あら玉のとしたちかへるあしたよりまたるゝ物は鶯のこえ
おほきさいの宮に、宮内といふ人のわらはなりける時、だいごのみかどのおまへにさぶら ひけるほどに、おまへなる五葉に、鶯のなきければ、正月はつねのひつかうまつりける、松のうへになくうぐひすのこえおこそはつねの日とはいふべかりけれ