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嬉遊笑覧
十二/禽虫
からすかん左衛門、うぬが内はやける、早くいつて水かけうといふ童こそ、鵜のまねする烏は、水おのむといへる諺よりいへるものならん鵜のまねするなら早く行て水あびろなど雲けむお、内は焼ると誤りたるは、〈再按に、からすの行水と雲ことより出たるなり、〉鴟とべば火ばやしといへるお混ひしなるべし、宗因独吟、鴟の飛ほど油断せず、京火ばやいとよその夕暮御用心、また鵜のまねは、佐夜中山集に、水心もや波の河筋鵜のまねお洲崎の烏羽つくろい、〈○下略〉