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飼鳥必用

仏法僧
此鳥日光曲より雛鳥にて出る鳥也、勿論江戸へ持参候、ひとり餌までは能持也、形は時鳥より少し、胸の黒み多く、腹の斑もあかく、目は黄色の輪あり、黒目也、此鳥塒したるおいまだみず、餌飼鱣にて等分餌也、是お実心と言人も有、
実心鳥(○○○)
此鳥高野山より出るといへ共、未現鳥お見ず、去旅人実心の皮と言て持来るお見たるに、時鳥の雌の赤ふにて余程大きく、勿論かつこう程もあり、其後外方より実心と言お見たるに、先年大坂表より伊達烏(○○○)と雲て来たる鳥也、此鳥総身こんじやうの毛色、觜赤くして口の内まつ黄也、足赤く尾羽黒し、至て鳥の形ぶきようなるもの也、実心と雲てみたるは右之鳥也、其後九州へ渡見たる時は雨烏(○○)と雲て見たり、又其後達摩鳥(○○○)とて、江戸へ来りたる事有、程なく落たり、餌飼鱣にて等分餌、猶玉子の黄実お入る也、此鳥お仏法僧と雲人もあり、間違なり、