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八代集抄
古今集十九
郭(顕注)公はしでの山より来て、農おすゝむる故に、しでのたおさといへり、○中略但しでの田長お朝な〳〵よぶといふは、しでのたおさとは郭公にはあらで、別の物ときこえたり、いかでみづからの名およぶべき、〈是迄顕注〉伊物に、名のみたつしでのたおさはけさぞなく、此しでのたおさは郭公也、〈○中略〉此いくばくの歌もおなじ心にや、しかればしでのたおさとは郭公の異名にて、賎の田長およぶとは、隻賎の事おいふなるべし、