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飼鳥必用

吉野駒鳥(○○○○)
此鳥は脊高く鳥も大形にて音さへあり、足の色但し二通りあり、白足あり、黒足の方は至て丈夫也、白足は足に病出る也、
秩父駒鳥(○○○○)
但し何れ高下なし、右鳥の出処もちゝぶ大滝と雲処にて出る、小瀬戸と雲処よりも出る、猶につ原と雲処からも出る、右三け処の内大滝より出る鳥よろし、
日光駒鳥(○○○○)
右の処よりも出る、猶高下なし、何れも春秋は荒鳥、夏は子駒出る、但し荒鳥飼込にても、さかりつよき時は、尾おかぶり手につくもの也、子駒には猶かぎらず、ざかりぬけ候へば、元の飼込となる也、子駒はしじうおたゝき也、勿論泊木にて、尾おひろげあげざるお海老尾と雲、猶右鳥は長尺三つ頭ひしぎ諦は、何れの鳥にても宜しきと雲、長尺なるお上とす、飼方人々知る処也、但し春おそく出る鳥はかねつけとて、至て易きもの也、此事心得て飼べし、但し悪しく相見へ候時は、蚓用候へば早速よろし、