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喚子鳥

粒餌小鳥の分 何にても水お入る
山がら 〈えがひ〉 〈くるみ、えのごま、花のみ、何れも水入、すりえは生え八分、粉壱匁、あおみ入、〉
大きさすゞめににて、毛色かばいうに、白くろこいねずみまだらふなり、此鳥羽づかひかろく、籠の内にて中帰りするかるき鳥お、小がへりの内、とまり木の上にいとおよこにはり、段々高くかえるにしたがひ、其いとお上へ高くはりふさげ、のちには輪おかけ五尺六尺のかごにても、よくかえりわぬけするものなり、又芸あり、かごのぞとへ出しやかごお仕出し、くるまぎにつるべお仕かけ、一方に水お入、一方にくるみお入、常に水とえおひかへするときは、かの水おくみあげ、又はくるみの方お引あげ、よきなぐさみなり、籠の内上の方に、ひやうたんにぜにほどのあなおあけつるべし、夜は其内にとまるなり、此鳥秋の末渡る、其内にて、かろき鳥お見たて、げいお付るなり、さへづりよし、