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太平記
十七
還幸供奉人々被禁殺事
宇都宮は放召人の如にて、逃ぬべき隙も多かりけれ共、出家の体に成て徒に向居たりけるお、惡しと思ふ者や為たりけん、門の扉に山雀お絵書き、其下に一首の歌おぞ書たりける、
山がらがさのみもどはおうつのみや都に入て出もやらぬは