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百千鳥

相思鳥 餌がい、五分え、 青味入
大きさ鶯に似て、総身もへ黄に鼠色なり、觜赤く足黄尾羽黒く、両羽之元に紅かば色の所あり、腹うすく黄色、目のうへに薄黄のまゆ有、尾のうへに二枚、先の丸き尾あり、下の尾は皆燕の子の尾のごとく也、かろき鳥にて羽遣などして、籠の内見鳥によし、囀高音にて面白きもの也、巣もなす鳥なり、子かへりては蜘お飼ふべし、十日程にて巣よりとり、すりえのさしえにて飼立る也、餌はだん〳〵子のつよきよわきによりて、品々飼方有、極がたし、とかくはじめは先うなぎの粉お、はやの下餌に交て飼立るがよし、段々に諸鳥共によわくえお引べし、其外巣の仕かけ、木竹の植込いろ〳〵鳥の心によりて、見はからひあり、略之、