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百千鳥

孔雀 餌がい 〈きび、米、菜おきざみ、蕎麦、粟、水お入、〉
大きさ毛色世に知る所なればこれお略す、大庭籠にて飼ふべし、青きむし一日に四五匹づヽ、又は小むしならば十お計も飼ふべし、いなご類の青虫なり、けら蚯蚓の類はよろしからず、口にねばり出てあしゝ、兎角子は秋にいたり、寒気にうつるところにて、落たがるもの也、八九月の頃長雨などのせつ、心おつけべし、玉子は二十八日、または廿九日にてひらく、三歳にて雄は漸く尾に玉出る、それも古鳥のやうに多は玉なし、としお経て、だん〴〵玉数ふへて、見事になるものなり、子は開りいするところ、両羽のびて外のとりの九日十日立たるていなり、玉子のうちにて、風きりのびて開るなり、