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日本山海名産図会

山蛤
山城嵯峨、又は丹波、播州小夜の山より多く出す、又摂津神崎の辺にも出せども、其性宜しからず、凡笹原茅原のくまにありて、是おとるには、小き網にて伏せ、又唐網のごとくなる物の竜頭お両手に挟み、こまお廻すごとくひねりて打ば、網きりゝとまはりて、三尺四方許に広がるなり、かくし得て腸お抜き、乾物として出す、其色桃色繻子のごとし、手足甚だ長く、目は扇の要に似たり、